結婚して1年ほどですが、夫に「こうしてほしい」と伝えるとき、上手く伝えられたときとそうでないときがあって、日々試行錯誤です。そんな中、これは良いコツだと思ったものを紹介します。
「相手を責めたい」と「望む行動をしてほしい」という2つの気持ちを、まず自分の中で分ける
「〇〇してほしい」と伝えるときに、「相手に怒りをぶつけたい」「相手を傷つけたい」という気持ちが1㎜でも混ざっていないかチェックしてみてください。
例えば「子どもが泣いてたら相手をしてほしい」と言おうとしたときに、相手への怒りや苛立ちをぶつけたい気持ちを込めた言い方をしようとしてないかチェックするのです。
たとえば「私、今料理してて手が離せないの見ててわかるでしょ。子どもが泣いてたら言われなくても相手してよ!」と言いたくなったとします。
ちなみに私はこんな言い方はしませんが、心の中で思ったことは何度かあります。
この言い方は「子どもが泣いてたら相手をしてほしい」と純粋に伝えたい言葉に聞こえますか?。むしろ相手を責めたい気持ちが前面に出ていると思いませんか?
相手を責めたいという気持ちは「私はあなたに大事にされていないようで悲しい」という気持ちの表れです。
その気持ちを「子どもの相手をして」という要望にかこつけてぶつけようとしているのです。これを私は「言外に責める」と呼んでいます。
混ぜるなキケン。分けて伝えよう。
要望にかこつけて言外に相手を責める言い方は、相手の耳を塞ぎます。「責めたい気持ち」と「要望」は混ぜずに分けて伝えるのが良いと思います。
- 責めたい気持ち→「私が忙しいときに子どもが泣いて困ってる。それなのにあなたは私の困ってる状況に気づいてくれなくて、私は悲しい」
- 〇〇してほしい→「子どもが泣いたときに私が忙しそうにしてたら、子どもの相手をしてくれたら私は嬉しい」
どうでしょう。説明口調すぎましたが、実際にはこのような内容がニュアンスで伝わればOKです。
さきほどの「私、今料理してて手が離せないの見ててわかるでしょ。子どもが泣いてたら言われなくても相手してよ!」よりも、言いたいことが整理され、聞き入れられやすくなったと思いませんか?
ちなみに1の伝え方はけっこう難しくて、「なんで気づいてくれないの!?」という言い方になりがちです。この言い方って、気づかない理由を純粋に聞いてるのではなくて、気づかないことを責めているんですね。
そんな言い方になるくらいなら「料理したいのに子どもが泣いて困った、たすけてぇ!(>_<)」と困った表情で言ってしまったほうが、「ああ、困ってるんだな」と気づいてくれると思います。
この伝え方を何度か繰り返すうちに、学習してあなたが困ってる状態に気づいてくれる頻度が増えると思います(毎回は無理です。逆の立場でも毎回気づいてあげるのは難しいですよね)。
オススメは「私は悲しい」「私は嬉しい」と伝えること
分けて伝えるときのポイントは「私は悲しい」「私は嬉しい」という言葉やニュアンスを入れるとことです。
- 私は悲しく思っている。理由は△△だから。
- あなたが〇〇してくれたら、それが解決できて私は嬉しい。
男性は合理的な考え方をする人が多いので、問題の原因がわかり、効果的な対処方法を提示すれば、快くやってくれることが多いです。
つまり、自分のやることで(仮に多少面倒でも)明確な成果があるとわかればやってくれるのです。
逆にどんなに簡単なことでも、成果が不明瞭なものはやってくれません。
多くの夫にとって、妻の悲しみを解決し、結果的に妻が嬉しくなるというのは、かなり大きな成果のようです。
なぜなら、多くの夫にとって、妻の感情は手に負えないものだと畏れているからです。
その対応方法を当人である妻が具体的に提示してくれるのですから、夫にとってこんなにありがたいことはありません。
夫婦に限らず男性の多くは、女性の感情の豊かさを畏れ、同時に敬ってくれているように思います。だから女性が笑顔になると喜ぶ男性が多いのかなと思います。
あなたもレッツトライ!
騙されたと思って「混ぜるなキケン。分けて伝えよう!」を試してみてください。ポイントは「言外に責めない」ですよ。
オマケもあるよ!
「言外に責めない」を意識するとオマケの良いこともあります。
それは他の人の「言外に責める」言動に敏感になることです。「言外に責める」人は言っていることが本当に言いたいことではないのです。その人はあなたを責めてスッキリしたいのです。
だからあなたは、(その人があなたにとって心から大切な人でなければ)、その人がそのとき言っていることを罪悪感なくスルーしてもいいんです。
だって、あなたを責めてスッキリしたい人の言うことなんて、真面目に聞くだけ時間の無駄ですもんね。
さらに言うと「言外に責めている」ことに無自覚で、あなたを責めてスッキリしたいだけなのに正論振りかざしてくる人がいたら、「この人ちょっと幼いな」と思ってもいいと思います。
今はなるべく気をつけていますが、私もしょっちゅうやらかしてました。
一方、あなたに対して「良かれ」と思い「言外に気づかせようとして」言ってくれている場合もあるのでは?と思うかもしれません。
その場合も、真剣にあなたのためと思っているのか、(無自覚に)スッキリしたくて言っているのか、「言外に責める」ことに敏感になったあなたなら割と容易に区別が付くと思います。
また、本当の意味であなたを思ってくれている人なら、言外に責めるなんてせずにシンプルに自分の考えを言って、あとはあなたの判断にゆだね、過剰にあなたをコントロールしようなんて思わないはずです。
対人関係がちょっと楽に
「言外に責める」言動か否かに気づくようになって、私は対人関係がちょっと楽になりました。相手の言うことに過剰に振り回されなくなったからです。
スッキリ目的の「言外に責める」をふんわりスルーしていたら、あんまり言外に責められなくなって(もしくはそういう人は周囲からいなくなって)、世界が快適になりました。
大切は人はスルーしないように!
でもあなたの心から大切な人が「言外に責めて」きたら、言外にあなたを責めたくなるほど辛い心境なのかもしれないので、よく話を聞いてあげてください。